鏡は何年もつの?耐用年数と長持ちさせるコツ
2025/01/15
みなさん、こんにちは!!安藤です。
お客様から「鏡の耐用年数は?」というご質問をいただくことがあります。
実は、鏡そのものは非常に長持ちするものですが、使う場所や使い方によって耐用年数は大きく変わります。長く使い続けるためには、鏡に適した使い方をして、正しいメンテナンスを行うことが大切です。
では実際に、どういうことに気をつければいいのでしょうか。また、鏡がどのような状態になったときに交換すればよいのでしょうか。
今回は、鏡が劣化する仕組みや一般的な耐用年数について解説し、長持ちさせるコツや劣化した場合の対処法についてもご紹介します。
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鏡の劣化とは
鏡が劣化すると、どういう状態になるかイメージできますか?
一般的なガラスミラーの場合、古い銭湯や学校などの鏡を思い出してもらうと分かりやすいかもしれません。表面に白い斑点が付いていたり、一部が黒くなっていたらそれが劣化のサインです。
ガラスミラーの劣化の仕方には大きく分けて二つあります。
一つは、表面に白い斑点状の汚れが付着している状態。「うろこ汚れ」とも言い、頑固にこびりついてしまうと日常のお掃除ではなかなか除去できません。
もう一つは、鏡の裏面、隅の方から黒いもやもやとした模様が現れている状態。これは、鏡の裏面にコーティングされている金属膜にサビが発生している証拠です。このように劣化した部分は反射しなくなり、その範囲が広がると鏡としての機能を果たすことができなくなります。
商業施設でよく使われるアルミミラーには、これとはまた異なる劣化のサインが現れます。アルミミラーの場合は、ガラスミラーと比べて柔らかく、汚れや傷に弱いという性質があります。水が付着すると表面にサビが発生してしまいますし、傷が入ると白く曇って反射率が落ちてしまいます。
それぞれの汚れ方の原因とその後の対応について解説します。
サビ汚れの原因
サビ汚れの原因は主に水分です。ガラスミラーは、裏面に銀メッキが施されていて、ここに水が付くとあっという間にサビてしまいます。
そのため、通常は銀メッキの上に銅でメッキをして、さらにその上から保護塗料を塗布して金属部分を守っています。
また、切断面にも樹脂塗料でコーティングする「防錆加工」を施すことで、少々の水が付いても錆びないようにすることができます。
では、どのようにしてサビが発生するのでしょうか。答えは保護塗料でカバーできなくなった部分がサビてしまうことが原因なのです。
裏面の保護塗料が傷ついて中に水分が入り込んだ場合、もしくは切断面がむき出しになっていて、ここに水分などが入り込んだ場合に鏡はサビてしまいます。お風呂や洗面台などの水まわりで使う鏡の場合は、裏面を傷つけないように注意して扱うことと、切断面は必ず防錆加工が施された鏡を選ぶことが大切です。
一方、アルミミラーは鏡自体がすべて金属なので、水分が付くとすぐにサビ始めてしまいます。そのため、お風呂や洗面所など水気の多い場所での使用はおすすめできません。
うろこ汚れの原因
サビ汚れはガラスミラーの裏面からの汚れですが、うろこ汚れは鏡表面の汚れです。水あか汚れが頑固にこびりついた状態と考えると分かりやすいですね。
水にずっとさらされていると、水に含まれるカルシウムなどの無機汚れが固着し、無機質のガラスと一体化していきます。
そのため、洗剤などを使ってもなかなか落ちないのです。
劣化したらどうすればいい?
ガラスミラーにサビ汚れが発生した場合は、元に戻すことができないので交換するしかありません。
よく、賃貸住宅のオーナーさんからご相談をいただきますが、内装やお風呂の汚れは住み心地に関わります。ある程度サビが目立ってきたら、交換してあげるほうが入居者さんには喜ばれるでしょう。
うろこ汚れの場合は、強い洗剤を用いて磨けば落ちる可能性もあります。下記のページでお手入れ方法を詳しくご紹介しているので、一度お試しください。
鏡の耐用年数
鏡の耐用年数はあくまで目安です。江戸時代の鏡が現存するように、正しい使い方をしていれば鏡は非常に長持ちします。
しかし、使ってはいけない場所に使ったり使い方を間違えたりすると、わずか数ケ月で劣化することもあるので、注意が必要です。
メーカーによる保証はあるの?
食料品には賞味期限、電化製品にはメーカーの保証期間が設けられていますが、鏡にはメーカーによる保証期間はありません。というのも、故障すると使えなくなる電化製品とは異なり、鏡はどこまで劣化すれば「使えない」と判断するのか、その基準が明確ではないからです。
ちょっとしたサビや汚れなら気にしない方もいれば、少しでも汚れていれば「使えない」と考える方もいるでしょう。
洋服や家具などと同じで徐々に劣化していくものなので、メーカーとしても「何年は使えます」と言えないのです。
一般的な耐用年数
ガラスミラーの耐用年数も一概に何年とは言えませんが、浴室などの水気の多い場所で使われる一般的な壁掛けミラーの場合、10~15年くらいもてば「長持ちした」と言えるのではないかと思います。それくらいの年数が経つと経年劣化が進み、うろこ汚れやサビ汚れが目立ってくるでしょう。一方で、玄関や室内など、水気のない場所なら20年以上もつと思います。
しかし、酸、アルカリの洗剤などでしょっちゅうお手入れをしている場合は、2〜3年で腐食が始まっても不思議ではありません。表面はガラスなので洗剤が付いても問題ありませんが、それが断面や裏面に付いてしまうと劣化を早める原因になります。また、水道水の成分によっても耐用年数は変わるようです。例えば近くに温泉がある地域などは裏面も表面も傷みやすく、劣化が早い傾向にあります。
アルミミラーの場合は、お風呂や屋外で使うと1〜2年でサビたり表面が白く曇ったりします。ただし割れる心配はないので、店内や室内などで使う分にはかなり長持ちします。
買ってすぐにサビたら交換してもらえるの?
先ほど、鏡にはメーカーによる保証期間がないとお伝えしましたが、それでは購入して1〜2ヶ月でサビ始めた場合も交換してもらえないのでしょうか。
お風呂の鏡などが買ってすぐにサビ始めるケースは、新築後やリフォーム後のお家でまれに見られます。おそらく、施工業者が作業後に洗浄した際に強い洗剤で鏡を傷めてしまい、腐食が進んだのではないかと思われます。
いくら保証期間がないとは言え、買ってすぐにサビてしまうのはお客様としては残念で仕方ないと思います。ですから私たちのお店では、お客様からよく事情をお聞きして、今回に限り、ということで交換させていただくことが多いです。もちろん同じことをすればまた傷むので、気をつけていただくようにしています。
対応は販売店によってさまざまですが、買って間もない場合は一度お店に相談してみると良いでしょう。
鏡の種類と耐久性
鏡には、これまでお話したガラスミラーやアルミミラーのほか、フィルムミラーやステンレスミラーというものがあります。それぞれ異なる特徴を持っていますが、どの鏡が最も劣化しにくいのでしょうか。また、劣化した鏡を使い続けても大丈夫なのでしょうか。
劣化しにくい鏡ってあるの?
フィルムミラーは、薄い塩ビフィルムに金属をメッキした鏡。非常に軽量というメリットがある反面、破れたり傷付いたりしやすいというデメリットもあり、布で拭くだけで傷がついて曇ってしまいます。
ステンレスミラーはエレベーターの中などによく使われている鏡。割れないし劣化に強く長持ちします。ただ、傷には弱いので使い方には注意が必要です。
ガラスミラーやアルミミラーの劣化についてはこれまでご紹介した通りです。総合的に考えるとやはり劣化に強いのはガラスミラーでしょう。硬くて傷がつきにくいため、防錆加工を施して水分にさえ気をつければ何十年と使うことができます。ガラスミラーは最強の鏡なのです。
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サビた鏡を使うのは危険?
ガラスミラーはサビると表面に黒いもやもやとした模様が見えるとお伝えしましたが、隅のほうに少しあるくらいなら鏡としての役割は十分に果たせます。見た目の問題なので、どこまで劣化すれば「もう使えない」と感じるかは使う人の判断次第です。
ただし、お風呂場や洗面所のガラスミラーの場合、鏡を壁に固定しているボンドや両面テープが傷んでくることがあります。両面テープはスポンジ状の厚手のものを使っているので、これが水を吸い込んで保護塗料を傷めることがあります。そのまま長期間使い続けると、鏡の腐食部分と一緒に剥がれ落ちて、鏡が落下する場合があり危険です。見た目にもあまり良くないので、できるだけ早く交換することをおすすめします。
鏡を長持ちさせるために
鏡を長持ちさせるためには、日頃のお手入れでサビやうろこ汚れが生じないようにすることが大切です。
とくにお風呂や洗面所など、水分の多い場所では日常的なメンテナンスが欠かせません。
ここでは、ラクにお手入れする方法やNGなお手入れ方法についてご紹介します。
日常でできるお手入れのコツ
お風呂や洗面所のガラスミラーの表面にできるうろこ汚れは、洗剤などでこまめにお掃除しましょう。ホームセンターで売っている「ウロコクリーナー」などの鏡用の洗剤を使えば、頑固なうろこ汚れもある程度ラクに落とすことができます。
その際、硬い金属のたわしや亀の子たわしなどを使うと傷が付くので、スポンジを使いましょう。
研磨剤を使う時は慎重に。表面に曇り止めフィルムやコーティング剤が塗ってある場合があり、そのまま研磨剤を使うと曇り止め効果がなくなったり傷がつくことがあります。まずは端のほうに使って試してから全体をクリーニングすることをおすすめします。
サビ汚れに対しては、裏側に水や湿気が溜まらないように換気することが大切です。とくに、施工時のミスでしっかりコーキングされていない場合は、裏側に水たまりができて黒くサビやすいです。コーキング周りは隙間が無いかよく注意しましょう。
加えて、常に換気を心がけることでサビにくくなり長持ちします。サビ汚れはとにかく裏面が大事。ここを傷つけないように注意しましょう。
アルミミラーの場合は、柔らかいスポンジを使って中性洗剤で汚れを落とします。表面が傷つきやすいので、研磨剤は使えません。
防錆加工が安心です!
お風呂や洗面所などの水気のある場所でガラスミラーを使う場合は、「防錆加工」が施された商品を選びましょう。これは、サビを防ぐために防湿効果のある保護塗料でコーティングする加工です。下記のページで詳しく紹介していますので、参考にしてください。
防錆加工とは コーワ鏡販売センター
鏡の交換はDIYできます!
劣化した鏡の交換はご自身でもできます。ただ、上手に貼り替えるにはちょっとしたコツが必要です。
鏡の交換のためだけに業者を呼んで貼り替えてもらうのは面倒、コストをかけずに貼り替えたい、という方は下記のページを参考にチャレンジしてみてください!
自分で鏡を交換する方法
こちらの記事で、鏡の取り付け方法について解説しています。
業者を介さずDIYすることで費用の節約になります。是非ご自分で鏡を交換してみてください!
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まとめ
・ガラスミラーの劣化には「うろこ汚れ」と「サビ汚れ」があり、アルミミラーの劣化には「サビ汚れ」があるほか、表面に傷がついて曇ることがある。
・鏡にはメーカー保証期間はない。購入してすぐにサビてしまった場合は、販売店に連絡を。
・ガラスミラー、アルミミラー、フィルムミラー、ステンレスミラーの中でもっとも劣化しにくいのはガラスミラー。
・日頃から洗剤を使ってやさしくお手入れし、湿気の多い場所では換気を心がける。
ライター
安藤
この道30年。ガラス、鏡のことなら何でもおまかせ! 寝ても覚めても頭の中はガラスと鏡でいっぱい(笑) 正しい知識でガラスと鏡の購入をしっかりサポートします。